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19世紀イギリスについて、創作活動するために調べたこと。

19世紀イギリスの労働者層

川成洋/石原孝哉「ロンドン歴史物語」丸善ライブラリー 平成6年
この書籍より詳しくまとめ。

19世紀イギリスの労働者層 煙突掃除

煙突掃除夫
出動:早朝。人々が起きだして暖炉に火を入れる前に掃除をする必要があった。
工場の煙突の場合、早朝になっても煙突が冷え切っていないことがあった。
熱い煙突に服を着て入ると着火するので、裸で煙突に入ることもあった。とうぜん、肘や膝をやけどしたり、肉が落ちたりした。
煙突掃除親方は少年を、こづかいや脅しなどでたくみにやりこめ、やけどの傷に塩水を塗りこめた。肘やひざの皮を強くする行為を行なっていた(ほぼ拷問)。
早朝から働くため、温かい煙突に入るとうたたねする子供がいた。親方は、子供が寝ていると下から火を焚いて起こした。(ほぼ虐待)

メアリー・モンタギューの子供が攫われて、煙突掃除夫の親方に売り払われたことがあった。これをうけ、人々はまことしやかに「煙突掃除夫の中には高貴な生まれの子がいる!」と信じた。

煙突掃除夫の子供たちに慈善を施す大人は多かった。

1875年にシャフツベリー卿の尽力で煙突掃除夫法が議会を通過して児童労働が禁止になった。煙突掃除小僧がいなくなったところで、親方は困らなかった。長い刷毛で代用ができたからだ。
今まで刷毛を使わなかったのは、刷毛の経費より子供の人件費のほうが安上がりだったのだ。

チャールズ・ラムの「エリア随筆集」の煙突掃除人讃歌
チャールズ・ディケンズ「オリバー・ツイスト」
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