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19世紀イギリスについて、創作活動するために調べたこと。

19世紀イースト・ロンドンのスリ

この書籍から
安保則夫「明石ライブラリー81 イギリス労働者の貧困と救済ーー救貧法と工場法」2005年10月20日初版


268ページ
7歳の子供が盗みで稼げる額
週あたり10シリング6ペンス

まっとうな労働で稼げるのは盗人の半額以下
・マッチ製造工場
盗人と同じ10シリング6ペンスを稼ぐためには、マッチならば週56グロス=8064個のマッチを作らねばならない。1日あたりなら1296個。
箱を乾かす燃料、糊、糸は労働者の自腹。
(1グロス=12ダース=144個)

・ズボン縫製業
1日あたり1シリング
労働時間17時間。朝5時から夜10時。食事なし。

・オーバーコート縫製業
警察官のオーバーコート。
歩合制で1あたり着2シリング10ペンス。1着仕上げるのには2日かかる。

労働者たち
・夫が盲目で自分も右手が手が不自由であるのにマッチ製造工場で朝晩働いている女性
・老夫婦
・酒のためではなく子供の服を質に入れる母親※1

倫理観
まっとうな労働では犯罪者の半分も稼げない状況ではあったが、正しい労働で賃金を得ているもののほうが圧倒的に多かった。

コメント:※1酒(ジン)のために実子を救貧院から釣れだして身ぐるみを剥いで死体をベスナルグリーンの溝に遺棄した母親もいました。
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